私の合気道体験

合気道を始めたのは学生一年目の時だった。
スポーツでも格闘技でもない護身術という響きに魅力を感じた。立って稽古を見ていた部長(らしき人)に「入れてもらってもいいですか」という感じで入門した。
他の新入部員よりも一年程遅れて入部したので、全くの下っ端からのスタート。
最初は道着を着て合気道の「準備運動」を覚えるところから始める。また、稽古終了の道場の掃除も初心者の役目だ。
そんな感じで通い続け、なんとか一通りの技の型を練習するようになったが、ある日、受け身を失敗して肩を脱臼してしまった。
その肩では稽古を続けることは不可能で、皆が昇級審査に向けて猛練習している間、私は整骨医に通いながら療養に努めることになった。
その間にひと月が流れ、肩が治ってから学生寮にいる部長に、夜中に遅れを取り戻す集中稽古をお願いした。
主に「腰投げ」の特訓だったが、おかげで今でも腰投げだけは完璧に出来る自信がある。
というか、確かに審査が終わったら春になり、新たな年次の部員が来るので、「いつまでも下っ端」がいては合気道部自体が危ないのだ。
そしておかげさまで無事審査を通り、あとは初段を目指すのみになった。
その後も紆余曲折あって初段まで漕ぎつくのだが、とにかく酒の訓練にもなったし、何より「護身術」を知っている、という自信で人間として少し強くなったような気がする。